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 注意1:魔剣少女リリカルユキカ!は純電波製なのです。

 注意2:一部のキャラが原作とは性格、設定が異なる場合があります。

 注意3:今回もfateもしの前振りからジョグレス進化を遂げて短編と相成り申しました。
 
 
  以上の注意点に気をつけ読んでもよいと思った方は下へどうぞ。









 
 












 それは、ごく普通の学生であったはずの私、三枝由紀香に訪れた、小さな事件。
 信じたのは正義の味方。手にしたのは英霊の力。
 願ったのは、明日が今日よりも幸せであること。
 世界はきっと、私が思っているよりも残酷で。
 だけど、その先にきっと私の望んだ明日がある……だから、

 『がんばるよ』はきっと、始まりの言葉……魔剣少女リリカルユキカ、始まります!
 




 リハビリ的駄SS 魔剣少女リリカルユキカ!
 



 私、三枝由紀香には血の繋がった家族がいない。
 数年前に冬木で起こった大火災で私は孤児となったのだ。
 そして、お養父さんの子供になった。
 お養父さん、衛宮切継。
 あの、真っ赤に染まった世界で私を助けてくれた正義の味方。
 でも、私は衛宮にはならなかった。
 お父さんやお母さん、まだ小さかった弟達のことを忘れてしまいそうだったから。
 そんな私に、お養父さんは笑顔で良いよと言ってくれた。

 そして、数年が過ぎ、お養父さんが逝き、私はまた一人になった。
 でも、寂しくなんてない。
 お姉ちゃんのような藤村先生や、近所にすむ士郎君が私を支えてくれたから。 
 何気ない日常。
 穏やかな日々。
 私はこの時、それがあっさりと壊れてしまうものだとは思っても見なかった。


 部活の後片付けで帰宅が遅れたため、夜の学校で偶然見かけた青い人と鎧を着た女の人の戦い。
 見ていたことがばれた私は、赤い槍を持った青い人に追いかけられた。
 そして、養父の家である衛宮の家の土蔵で運命に出会った。


 「これは随分と乱暴な召か…………なんでさ」


 目の前に浮かぶのは赤いアンティーク調の宝石。
 喋っていることも不思議なら、それに驚かない私も十分不思議だ。
 多分、これがきっと、私、三枝由紀香の分岐点。
 

 
 いけ好かないマスターの命令で、俺は各サーヴァントの偵察をしていた。
 そして、何とか学園とか言う学び舎で結界を見つけ、そこで最優と称されるサーヴァント、セイバーとの戦闘となった。
 まぁ、その辺の話は割愛しよう。どうせ何処ぞでも語られている物語だ。
 問題は、その戦いを中断する原因となった少女にある。
 俺の槍も鈍るほどのそのぽややんとした態度に俺もはめられたと言うことだろう。
 まさか、嬢ちゃんが逃げ込んだ先の蔵でサーヴァントを召喚するなんてな。
 そして、サーヴァントよりも先に出てきた嬢ちゃんが赤い宝石を掲げて―― 

 
 「身体は剣に、心は鉄に、無限の剣は赤き丘に、不屈の正義はこの胸に!
  アーチャー……さん! セットアップ!」


 ――そう叫んだ。まぁ、俺がまだ確認していなかったのはアーチャーだけ。
 これは何の問題も無い。
 問題なのは、サーヴァントの姿が見られないことと、何らかの魔術?を行なった嬢ちゃんだ。


 「サーヴァントの姿が見えないが、まさか嬢ちゃんが七人目だったなん……は?」
 
 
 突然、嬢ちゃんの着ていた服がキャストオフした。
 ……俺の名誉のために言っておくが、俺はロリコンじゃない。
 もっと、こう、色気のある女が好みだ。
 だからな、たとえ嬢ちゃんの裸をモロに見てしまったとしても何とも思わんぞ?
 ホントだぞ!?


 「ま、魔剣少女、リリカルユキカ……はぅ」


 赤い外套を纏い、肌着のようにピッタリとフィットした黒いインナーを着たリリカルユキカが俺の目の前にいる。
 慎ましやかな胸は、その存在をあまり自己主張していない。
 髪の色は白髪に変わり、その身からは英霊もかくやと言わんばかりに魔力が溢れている。
 だけどな、


 「…………嬢ちゃん、そう気を落とすなって。
  まぁ、なんだ。そのうち良いこともあるんじゃないか?」
 

 嬢ちゃんもどんな風に自分が変身したかは解っているらしい。
 そりゃ気を落とすわな。
 ……ここは引いておいてやるか。
 俺は極力嬢ちゃんの姿を見ないようにしながら、塀を飛び越える。
 あぁ、そう言えばアーチャーの姿を見なかったが……まぁどうでも良いか。

 

 青い人が帰った後、中学生以上になって初めて異性に色々と恥ずかしいところを見られてしまった私が落ち込んでいると、
 衛宮邸のお堀を飛び越えて、私の憧れの人である遠坂さんがやってきた。
 遠坂さんの顔は、まるで紅茶を淹れた筈なのに間違えて酢昆布茶を淹れていた時の桜ちゃんのような顔をしている。


 「まさか三枝さんが魔術師だったなんて……予想外も良いところだわ」

 「と、遠坂さん!? えっと、本日はお日柄も良く、じゃなくて。
  魔術師ってことは、遠坂さんって魔法少女なの!?」

 「…………は? ま、魔法少女!? うぅ、私の人生の黒歴史が……」


 私の魔法少女発言に、遠坂さんは頭を抱えてうずくまってしまった。
 ……わ、私、遠坂さんの心の傷をえぐっちゃったのかも。
 ワタワタしながらその横に凛とした姿で立つ女の人に目をやれば、睨まれてしまった。
 は、はぅ。
 な、何か気に入らないことをしちゃったのかな?
 そう思い、俯いた状態で伺うように女の人を見ると、何故かワナワナと震えていた。
 ……さ、更に怒らせちゃった!?
 

 「ご、ごめんな「すみません、貴女がマスターだと言うことで警戒して視線が厳しくなったようです」さ、い?」


 あれ、怒ってない?
 と言うよりも、アレは何か子犬を見たときの桜ちゃんや蒔ちゃん見たいに優しい目だ。


 「私はリンのサーヴァント、セイバーです。よろしくお願いします」

 「あ、はい。私は三枝由紀香です。こっちは私のさーばんとのアーチャーさんです。
  よろしくお願いします」

  
 私は、宝石の状態から剣の形をしたデバイスと言うものになっているアーチャーさんを掲げる。
 形状は、剣にうとい私ではよくわからないが、演劇部の人たちがアーサー王のお話で使っていた西洋の剣に似ている。
 そして、剣のもち手の部分の上辺り?に赤い宝石が埋め込まれている。
 ……弓兵なのになんで剣なんだろう?
 

 「剣……? リン、剣がサーヴァントになることなど有り得るのでしょうか?
  ましてや、アーチャーであるのに剣の形をしているとは……」

 「へ? って、その剣の宝石……! どう言うこと? 確かに英霊一体分ぐらいの魔力は込められてるけど……。
  ……まさかアレって、ルビーみたいに似非天然ド腐れ精霊がついているの!?」

 
 遠坂さんは、アーチャーさんに心当たりがあるのか、何かを考えているようだ。
 その姿がとても様になっているため、私はしばしボーっと眺めてしまった。
 でも、ド腐れって言うのはアーチャーさんにちょっと酷い気がします。
 表情の分からない剣の姿ですが、刀身には涙のように雫がついている。
 

 「リン、どうするのです? 彼女自身がどうあれ、聖杯戦争の参加者であることに違いはないでしょう?」

 「……三枝さん。取りあえず、臨戦態勢を解いてもらえないかしら?
  冬木のセカンドオーナー、遠坂凛の名前にかけて、今日は貴女に危害を加えないと誓うわ」


 え、えっと。よくわからないけどアーチャーさんをセットアップじゃない状態にすれば良いのかな?


 「アーチャーさん、元の状態に戻して下さい」

 「……了解したマスター」


 デバイス状態だったアーチャーさんが了承してくれる。
 すると、私が来ていた赤いコートや黒くてピッチリした中着が消え、私は制服に戻っていた。
 ……落ち着いて考えると、遠坂さんの前で凄い格好でいたんじゃあ……。
 わ、忘れないと!
 
 
 「……物質の再構成? それとも転送による衣装の変換かしら」

 「今の光景を見る限り、物質の具現化が一番しっくりくるのでは?」

 「えっと、私のさっきの衣装についてですか?」


 そういえば、着るときは……色々と大変なことになったのに戻るときは一瞬光ってすぐに戻っていた。
 ……アーチャーさん、もしかして視聴者サービスじゃないですよね!?

 
 「服のことはともかく、問題はアンタよ! アーチャーのサーヴァント、もとい宝石!」
   
 「さて、何のことかな? そも、マスターと君が学友であろうと聖杯を奪い合うライバルなのだろう?
  マスターは戦いを好まないが、危害を加えると言うのなら……全力全壊で倒しきろう」

 
 ア、アーチャーさん……、あんまり遠坂さんに変なことを言わないでください!
 それに、全力全壊って何ですか!?


 「魔術師、としてならそうね。三枝さんであっても敵として処理するわ。
  でも、遠坂凛としてはそれを避けたいと思っている。魔術師として間違っているとしても」

 「遠坂、凛…………失礼した。先ほどの非礼を詫びよう。君は素晴らしい魔術師だ。
  デバイスとして現界してしまった私ではマスターを支えきれないだろう。
  君さえよければ、マスターを共に聖杯戦争から守ってもらいたい」


 不覚にも、私は遠坂さんとアーチャーさんの言葉に涙が零れそうになった。
 聖杯戦争とかデバイスとかよく分からないけれど、鐘ちゃんや薪ちゃんのように優しい感じが二人?から感じられる。
 

 「で、話を戻すけど。アーチャー、貴方何なの?
  デバイスって言葉から察するに何らかの魔力媒体として現界しているのよね。
  と言うよりも、何で私の持っている宝石と同じなのかしら?」


 お互いにほんの少しわだかまりが取れたからだろうか。
 遠坂さんとアーチャーさんは先ほどよりも落ち着いた雰囲気で話を始めた。
 ちなみに、私は何故か鎧をどっかに消したセイバーさんに抱えられている。
 何なんだろう、この状況。





 「で、話を戻すけど。アーチャー、貴方何なの?
  デバイスって言葉から察するに何らかの魔力媒体として現界しているのよね。
  と言うよりも、何で私の持っている宝石と同じなのかしら?」

 「今はデバイス、君の言う魔力媒体だな。その姿をしているが、この身は末端とは言え英霊だ。
  まぁ、セイバーと比べるべくもないがな。そして、何故この姿なのかは分からない。
  以前一度だけこの形で召喚されたことはあったが……それはまた別の話だろう」


 生前の魔術の師であり、得がたい友人でもあった遠坂凛から私は質問され、それに答える。
 現在の私の状態を言うならば、身体は生前常に持っていた赤い宝石になっている。
 これは、何らかの魔術行使の際に使用される杖などのようなデバイスと呼ばれるものだ。
 過去の記録より、英霊エミヤは異世界に召喚されたことがあり、そこで同様の状態になったことがあるらしい。
 そう……つまり私は、聖杯戦争のマスターを守り、敵を打倒するサーヴァントとしてではなく、
 マスターの力を増大させ、マスター自身に戦いを強いるデバイスとして召喚されたと言うことだ。
 だから、召喚された際に生前の時の口癖が出たとしても誰が私を責められようか?
 
 そもそも、私、英霊エミヤを呼び出すのは目の前にいる遠坂凛であるはずなのだ。
 記憶の磨耗によって彼女の名前を聞くまでさっぱり思い出せなかったのだが。
 そして、セイバー……アルトリアはこの時代の自分、衛宮士郎に呼び出されるはずであったのだ。
 だとすれば、ここは万華鏡で覗いた世界。
 平行世界であろうのだろう。
 ……どうやら、私の望みは叶わないらしい。
 マスターを見る限り、"衛宮士郎"はこの世界に存在しないだろう。
 ならば、この世界の先に英霊エミヤは発生することはない。
 
 
 「じゃあ、私の宝石と同じ点についてはどうなの?」

 「それは簡単だ。生前、私はその宝石を生涯所持していたのだ。思い入れもかなりある。
  その点から察するに、もしかすると君と関わりのある存在だったのかもしれないな」

 「……まぁ良いわ。アーチャーが良く分からない存在であっても、セイバーには敵わないだろうし。
  三枝さんも戦う気はない……わね。完全に。だとしたらどうしようかしら?
  あの辛味神父に任せたら純粋な三枝さんがどうなるか分からないし……」


 そう。問題はそこだ。
 先にもあったが、私はデバイスでありマスターに振るわれる剣である。
 それは、この優しいマスターに戦わせると言うことと同じ。
 磨耗し、絶望を感じたとはいえ、この身は英霊、この身は正義の……味方なのだ。

 ああ、そうだ。

 正義の味方。

 たとえ、それが自分ではない者の望みであり借り物の理想であろうと。

 オレが望み、オレが目指したモノであることに変わりはないではないか。

 ならば、我が生涯に意味は不要いらない。

 この身がなした、全ての事象と再度向かい合おう。

 振り返りはしない、後悔はしない。

 ただ、前を向いて、誰かを救おう。

 オレは、正義の味方だ。


 「問題ない、セイバーのマスター。マスターは私が守りきる。
  この身がデバイスであろうと、アーチャーのクラスであろうと関係ない。
  我が身は盾であり、我が身は剣。
  マスター、これより私は君に降りかかる全ての厄災からマスターを守る盾であり、全てを切り開く剣となろう」

 「ふぇっ!? い、いきなり話を振られてもついていけないんですけど……。
  セ、セイバーさん、どういうことですか?」

 「ユキカ。簡単に言えば彼、アーチャーは貴方の騎士になると言っているのです。
  マスターとして、それを受けるかどうするかを決めるべきでしょう」


 ?
 何時の間にかセイバーとマスターが仲良くなっている?
 遠坂凛と話している間に一体何が……。


 「あ、あの。セイバーさんにちょっとだけ説明されました。聖杯とか英霊とか。
  私じゃ頼りないと思います。戦う力も誰かを傷つけることもできません。
  でも、守りたいんです。もしかしたら巻き込まちゃう誰かを。
  明日が普通に来ると思っているのに、その明日を奪われてしまう誰かを助けたいんです!
  だから、アーチャーさん。私と戦ってくれますか?」

 「……ここに、誓いはなった。
  マスター、君の望む全てを、我が身を賭して全力全壊で成し遂げよう」

 
 今此処に、本来の歴史とは違う運命の物語が始まる。
 その物語の名を――――



 魔剣少女リリカルユキカ!



 ――――と言う。


 



  続かない!!




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