注意1:この作品の弓さんはアーチャーではないです。

 注意2:これはfateもしとは一切関わりがありません。

 注意3:これは電波による二次被害作品です。

     fateもしを書いていて本編で使用不可な電波がきたため別の作品として誕生しました。

 
 以上を踏まえた上で読んでやってもよいという奇特なかたは下へどうぞです。





    











 



 

        それは有り得たかもしれない物語 そのにじゅうはち



 side by エミヤ


 屋根で一人、空を見上げる。

 如何なる世界においても空は美しい。

 時に赤く、時に厚い雲に覆われようとも。

 また、粉塵が舞い上がり空が見えずともその空を想像することで補える。

 だから、ただ空を見上げる。

 今まで見てきた空を思い出しながら、

 同時に出会ってきた人などを思い出しながら、空を見上げていた。


 「空を見るのが好きなのですか?」
 


 side by セイバー


 「空を見るのが好きなのですか?」


 意を決して屋根に登り、彼に声を掛ける。
 
 今ライダーはサクラと話しているためいない。

 邪魔は入らないだろう。

 そう思いながら彼の隣に腰掛ける。


 「ああ、空は美しい。たとえどんな空だろうとな」


 彼の静かな声、

 
 「貴方は私とライダーのどちらをサーヴァントとして選ぶのですか?」


 今日リンとバトラーに言われたこと。

 そのせいでライダーと言い争いになったことは忘れたい。

 
 「……選ぶつもりはないのだがな。

  今なら私一人でも別段問題なく戦える」


 それは本当のことだろう、今のバトラーには何の制約も無い。

 何も気にすることなく宝具だろうとなんだろうと使用できるだろう。

 しかし……、
 
 サーヴァントとしての縛りが無くなっただけでここまで変わるものだろうか?


 「貴方一人でこの戦いを終わらせると?」


 「出来ればその方が良いだろうな。

  だが、何事にもイレギュラーは存在するものだ。

  私が思わぬところで不覚を取ることもあるだろう」


 だから、それを助けるために私を選んで欲しい。

 そう、声を高くして言いたい。

 
 「だが、私との契約は普通のものとは違うのでな。

  これ以上誰かを縛り付けたいとも思わんのだよ」


 それも説明された。

 彼と繋がったならキャスターの宝具であるらしい、

 破戒すべき全ての符(ルールブレイカー)でも破戒できないと。
 
 故に彼が消えるまでこの世界に縛られることになる。


 「まあ、私を消せば良いだけの話なんだが……」


 ……そんなことは私にはできない。
 
 それはライダーとて同じことだろう。

 寧ろ彼女なら、私と違い柵の無い彼女なら、

 彼と共にいれることを喜び縛られることをよしとするだろう。


 「セイバー、君は聖杯を求めているのだろう?」

 
 その通りだ。

 私にはどうしても聖杯が必要なのだ。


 「ええ、貴方は知っているでしょうが聖杯が私には必要だ」


 「そうだろうか?」


 ……彼は何が言いたい?

 私の目的を知り間違っているとでも言いたいのか?


 「……いや、私がどうこう言える話ではなかったな。

  すまないセイバー。私では君を救うことが出来ない」

 
 な、何故彼は謝っている?

 私を一体何から救おうというのだ?


 「バト……」


 「……君を救うのは衛宮士郎だろう」
 

 シロウが?


 「アレはそういう存在だ。愚直故に出来ることもある」


 私にはさっぱり意味が解らない。

 だから今は、彼の隣に腰掛けながら彼と同じ空を見よう。

  
 「……セイバー、君の目に映る空は何か変わっているか?」


 「えっ?」


 突然の問いかけに驚き声を上げてしまう。


 「君の本来の時代の空と今の空、美しいということに変わりはあるか?」


 「いえ、たとえ時代が変わろうとも空は変わらず美しい」


 「そうだな……。

  アルトリア、私のサーヴァントになってくれないか?」


 ……えっ?

 あ、あの。その……い、一体どういう流れでそうなったのでしょうか?
 
 しかも私の、王になる前の名前で呼ばれたため顔が必要以上に赤くなる。

 
 「嫌ならそうと言ってくれ、君の意見を尊重しよう」


 「い、嫌じゃありません!
 
  で、ですが……先程も言ったように私には聖杯が必要です。
  
  ですから……」


 聖杯を手にしたら貴方をどうにかしなけらばならない……。


 「……すまない。私が考えなしだったな。

  だから泣かないでくれアルトリア」


 泣いている? 私が?

 王になってから一度たりとも泣くことが無かった私が……?


 「今ここで聖杯を手にした後のことを議論するのは止めよう。

  君の考えが変わるかもしれないだろう?」


 「……解りました。先のことは誰にも知ることはできませんからね」


 そう、実際どうなるかなど誰にも解りはしないのだ。

 現に私は今、彼を愛している。

 こんなことはこの聖杯戦争に呼ばれた時は思いもしなかったことだ。
 

 「ではアルトリア、契約を」

 
 「ええ、私はシロウと、貴方の剣になることを誓います」


 そう、私は彼だけの剣であることは出来ない。

 それは許して欲しいところだ。


 「……二股か?

  まあ、王族だったら構わんと言うことか……それに私も似たようなものだしな」


 「ば、馬鹿なことを言わな――」


 私が意見を言い終えるまえに唇を塞がれた。

 何で? 何で彼の顔がこんなに近い……? 

 せ、接吻をされている!?
 
 私の思考が遠回りをしつつ結論に達した時。

 プシュウーっと音をたてたかのように私の思考回路は停止した。 

 

 side by 慎二


 ううっ……こ、ここは何処だ?
  
 暗闇のせいで今一自身が置かれた状況が理解できない。 

 確か教会から走り出た所までは覚えている。

 僕を馬鹿にしたあの神父と金色のサーヴァント。

 ……思い出しただけで腹が、腹が立たない?

 何でだ? 

 今まで似たようなことの後は相手を呪い殺したい程の狂気が渦巻いていたのに。

 おかしい、おかしすぎる。

 自分はそこまで上等な人間じゃない。

 少なくともあのような扱いを受けたのに怒りを覚えないなど有り得ない。


 そんな事を考えていると次第に目が慣れてきた。

 ここは……家の地下のアノ部屋か……。

 そうなるとますます解らない。

 どうしてこんな所に居るんだよ?

 
 「どうやら起きたようだな少年」


 その声に驚いて即座に声の方を向く。

 そこには白い仮面をつけた人でない何かがいた。 

 直感した、コイツはサーヴァントだと。


 「どうした? 急なことで事態が掴めないか?」


 「いや、少なくともここが僕の家の地下でお前がサーヴァントだってことは解る」


 「それは僥倖、ではオマエの祖父の言いつけ通り大人しくしていて貰おうか」


 祖父? ということはアノ爺も聖杯戦争に参加してるってことか?

 それは解る、間桐とて聖杯を欲してアインツベルンや遠坂に協力したのだから。


 「それで? 爺さんは他に何か言っていたか?」


 「……聞いていた人物像と違うな。

  少年、オマエは私が恐ろしくないのか?」


 何言ってるんだコイツ?


 「だってお前は爺さんのサーヴァントだろ?

  だったら僕がお前を恐れる理由がないじゃないか」


 そう言ってやると何か考え始めるサーヴァント。


 「魔術師殿には取り合えず暫くは家から出ないようにと言付けられている。

  聖杯戦争中に出歩くなと言うことだ。

  おそらく孫であるお前を心配してのことではないか?」


 アノ爺さんが僕を心配して?

 はんっ! 絶対に有り得ないね。


 「ふーん、まあそれは良いよ。

  僕だって好んで死にたい訳じゃないからね。

  で? お前は何のサーヴァントで何て言うんだ?」 


 「……私の名はハサン・サッパーハ、クラスはアサシンだ。

  出来れば名で呼んでもらおうか」

 
 ハサン、確か間桐の蔵書の中で出てきたな……。


 「確か山の老翁だっけ?

  アサシンのクラスとして本来呼び出される存在。

  だから呼び出される全員がハサンって呼ばれる、あってるだろ?」


 「……少年、どうやらオマエのことを誤解していたようだな。

  魔術回路は無いらしいがその知識には感服した」


 ズバッと人の気にしてることを言ってくる奴だな。

 何処か衛宮のようだ、裏表が無いってところが。


 「それじゃあ、よろしく頼むよハサン」


 「心得た、時に少年。腹は減っているか?

  減っているなら私が料理を作るが」


 は? アサシンが料理?

 外見も合わせて全く似合ってない。

 そしてそう言われて空腹に気づいた。


 「ああ、頼むよ。

  それにしてもハサンが料理って似合わないな……」
 

 「そ、そうだろうか?

  ……私が山の老翁となってからの唯一の趣味なのだが」

 
 明らかに落ち込んでますと言った感じのハサン。

 コイツをからかうのは面白いかもしれない。


 「どうせ作るならその格好をどうにかしてくれよ?

  その黒づく目の上にエプロンなんてつけられたら夢に出そうだから」


 そう言ってやるとまたもや考え込み。
 
 
 「……善処しよう」


 と、言い残して地下から出て行く。

 どうやらライダーとは違ってこいつは僕と相性がいいらしい。

 
 ……それにしても、身体がおかしい気がする。
 
 まるで、僕の身体が何かの炉心になっているようだ。

 一体どうなってるのか疑問は尽きないが、

 今は空腹を満たす方が先だろう。

 出来れば食べれるレベルの料理が出てきてくれることを祈りながら地下から出る。
 


 




 続く……のか?



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