注意1:この作品の弓さんはアーチャーではないです。 注意2:これはfateもしとは一切関わりがありません。 注意3:これは電波による二次被害作品です。 fateもしを書いていて本編で使用不可な電波がきたため別の作品として誕生しました。 以上を踏まえた上で読んでやってもよいという奇特なかたは下へどうぞです。 それは有り得たかもしれない物語 そのさんじゅう side by 凛 「はー、紅茶が美味しいわ……」 衛宮邸の居間で私と桜が寛いでいる。 ほんの数日前には考えてもいなかった光景だ。 「そうですね。遠さ……ね、姉さん」 うわっ! 面と向かって桜から姉さんって呼ばれるなんてやっぱり恥ずかしいわね。 この場に桜と私しか居なくて良かった。 だって絶対赤くなっているから……。 私を赤面させたセリフを言った本人も真っ赤になって俯いている。 やばっ、我が妹ながら本気でかわいいかも。 はー、いいわね女の子って感じで。 その点私は可愛げがないし、胸もない。 このままじゃ桜に士郎を持ってかれるかも……。 「そんなことはないぞ凛。君は十分魅力的だと私は思うがね」 あっそう、気休めをありがとうバトラー。 アンタが言うとなんか裏がありそうなのよね……ん? 「ち、ちょっとバトラー! アンタ何処から湧いて出たのよ!?」 「む、私をボウフラなどと一緒にしないでもらいたいな。 そもそも、気づいてなかったのは凛だけで桜は気づいていたぞ?」 うそでしょ? そう思って正面に座る桜を見れば申し訳なさそうな顔をしている。 ……まさか。 謀られた? 「ふむふむ、君の百面相を見るのも中々楽しいものだな」 こ、こいつは〜! 私が思いっきり抉るようなボディブロウ付きの怒声を発しようとしたその時、 「バトラー、そろそろ今後の作戦を練りたいのですが。 ……何をやっているのですか、リン?」 くっ! セイバーのおかげで命拾いしたわねバトラー。 後で覚えときなさいよ!? 「遠坂、バトラーに突っかかるだけ無駄だと思い始めたんだけど、どうよ?」 なに悟ったような顔で戯けたこと言ってるのよ士郎! 売られた喧嘩は高く買うのが遠坂よ! 「姉さん、それこそバトラーさんの思う壺な気がするんですけど……。 って、聞いてませんね?」 ふふ、とりあえず土下座は基本としてどうしてくれようかしら? side by 桜 「――戦うべきは三組は、ランサーとそのマスター。慎二とギルガメッシュ。 そして柳洞寺のアサシン、キャスター組ね」 何時の間にか姉さんが仕切って話し合いは進んでいく。 まあ、姉さんは何だかんだで目立ちたがりな面もありますから。 「相手の居所の解っているアサシンとキャスターから攻めるのがいいと思うんだけど、 皆はどうかしら?」 「私もその意見に賛成ですね。ランサーは未だにマスターが解っていない。 ギルガメッシュとシンジはおそらくイリヤスフィールを狙ってくる。 通常なら待ちの作戦で攻めてくる者から倒せば良いのですが、 サーヴァントが三体いる中に攻め込んではこないでしょう」 ……セイバーさんって食べるだけじゃなかったんですね。 「ならばどうします? 柳洞寺を攻めるならまずあの変り種のアサシンをどうにかしなければならないでしょう? アレをどうにかした後にキャスターとの連戦は避けるべきですね」 確かアサシンの真名は佐々木小次郎ってライダーは言ってた。 「ならば私が単独で行ってこよう。 私ならアサシンもキャスターもおそらく問題なく倒せる」 バトラーさん、私を救ってくれた命の恩人さん。 何処か先輩を感じさせる雰囲気を持つ人。 「その行動は貴方のサーヴァントとして認められません!」 「その通りです。何のために私たちが居ると思っているのですか?」 それに対して当然の如くセイバーさんとライダーが反論してくる。 アレですね、恋する乙女さんです。 私も先輩と一緒になれたらいいなあー。 でも。 ……私はチラリと姉さんを盗み見る。 うう、やっぱり綺麗だ。 確かに私の方が胸は大きいけどそれ以外では負けている。 先輩が姉さんのようなキリットした美人が好きだったらどうしよう。 「……先輩」 「ん? 呼んだか桜?」 へ? 「い、いえ。全然そんなことはないですじょ!?」 「そ、そうか。ならいいんだけど」 あう、変なところを見られちゃいました。 しかも『ないですじょ』ってなんなんですか? 穴があったら入りたいです。 私は意を決して俯いていた顔を上げると視界に姉さんの顔が映る。 ニヤニヤと何かを企んでいそうな顔。 ああ、先輩が姉さんのことを赤い悪魔って言ってた意味がちょっと解りました。 姉さん、妹は労わるべきだと思います。 side by ハサン シンジ殿が突然俯き、体の動きを止める。 それと同時に放たれる禍々しい気配。 「……魔術師殿か?」 「そのとおり……ところで、お主はハサンか?」 ぬ、まさか眠っている間にボケてしまったのか? 「服装を変えただけなのだが、分からないだろうか?」 「……カカッ! その格好を見たときの慎二の顔が見てみたいわい」 シンジ殿の反応。 いきなり食べていたものを噴出していたな。 やはりこの素顔のせいだろうか? だがしかし、こればかりはしょうがない。 山の老翁はその顔と実力で選ばれるのだから。 しかも先代の独断と偏見によって。 「まあ、そんなことはどうでもよい。 ハサン、ワシが眠っている間に何かあったか?」 「……セイバーとライダーの力がどういうわけか戻っている」 「ぬ、それはちとやっかいじゃな。 騎士王に、石化の魔眼、そして得体の知れぬ執事のサーヴァント。 老体には堪える面々が集まっておるわい」 ……確かに。 英霊三体を相手にするのは自殺行為に等しい。 特にあの執事……一体何者だ? 私の気配遮断を持ってしても奴のせいで邸内にまでは入ることが出来なかった。 奴の知覚領域は広く他愛のないことまでも探ってくる。 流石にその領域の外から探っていた私には気づかなかったようだが危険な存在だ。 アレが居る限りマスターを殺すという私本来の戦い方は無理だろう。 「どうするおつもりか? 魔術師殿」 「そうじゃな、やはり駒を増やすしかなかろう」 そう言って舌なめずりをする魔術師殿。 シンジ殿と同じ顔だというのにその表情は酷く禍々しい。 「行くぞハサン。ワシが次の眠りにつくまで余り時間が無い」 ……つまりまだその力を御しきれてないというわけか。 だとすれば後何回かはシンジ殿と会えるわけだ。 「……御意」 次にシンジ殿が起きた時は何をご馳走しよう? 続く……のか?