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 注意1:この作品の弓さんはアーチャーではないです。

 注意2:これはfateもしとは一切関わりがありません。

 注意3:これは電波による二次被害作品です。

     fateもしを書いていて本編で使用不可な電波がきたため別の作品として誕生しました。

 
 以上を踏まえた上で読んでやってもよいという奇特なかたは下へどうぞです。





    











 



 

        それは有り得たかもしれない物語 そのさんじゅうに



 眼前で激突する赤と青。

 豪雨の如き突きの連撃をもって迫るランサー。

 それを避け、弾くと同時に放たれた矢の如く踏み込むバトラー。

 だが、それを上回る速度でランサーが前進するため踏み込みきれず間合いを離す。

 両者の動きに停滞はなく、その一撃一撃全てに必殺の意思が込められている。
 
  
 「はっ!」


 ガギン!
 
 
 裂帛の気合を込めた一撃でランサーがバトラーの右手の剣を弾く。

 だが、彼の右手には既に同じ剣が有りそれがランサーに対して振るわれる。

 
 「くっ!」


 ズザーー!

 
 ランサーがそれを見て取り、一息で間合いを離して再び構える。


 「……前も聞いたが、テメエ本気で何者だ?

  どんなトリックか知らんが宝具である剣を何本も出せる英霊なんて聞いたことがない」


 「それに答える義務は有るまい?

  君が気にすべきは如何に私を倒すかだろう」


 「そうだな、愚問だった。

  ……さて、そろそろ……逝け!」


 そう叫んだと思った瞬間彼は既にバトラーの目の前で槍を突いている。

 認める他はないだろう、青き槍兵はサーヴァント中最速の英霊だ。

 その、閃光の如き連続の突きにバトラーが押され始める。

 バトラーは確かに戦いが上手い。

 加えて戦い方が独特であり捉えどころがない為とても戦いづらい。

 私とて本気で彼と戦って勝てるかどうか微妙な所なのだ。

 だが、彼のアイルランドの大英雄はそれをさせない速さをもっている。

 
 「ぬっ――――!」


 またもやバトラーから剣が弾かれ地面に刺さる。

 これで丁度十五本目。

 しかし、彼の腕には既に同じ剣が握られている。


 「ちっ! いい加減うざったいな」


 「そう言うな、此方はようやく準備が整った所なんだからな」


 「何だと……?」

 
 準備?

 一体何をしていたと……アレは!?

 地面に突き刺さっていた剣がバトラーが掲げた腕につられる様に宙に浮かび、

 その直刃が螺旋を描くように捻れる。

 
 「包囲は完成した。受けるがいいランサー!

  偽・螺旋剣(カラドボルグ3)!」


 バトラーの声に応じ縦横無尽に宙を舞う。

 標的はランサー、迫るは十七本の剣郡。

 アレは回避できるタイミングでは無い、だというのに――


 「なめるなーーーー!」


 ――迫り来る剣郡を弾き、避けていく。

 そして、一瞬生じた隙間を縫うように先程を倍する程の速さで後退する。

 
 「む、矢避けの加護かそれに類するスキル。後は……仕切り直しといったところか」


 バトラーは自身の宝具を回避されたというのに冷静に相手の情報を吟味している。
 

 「……カラドボルグ。ますますテメエが何者か分からなくなったぜ。

  だが、ソイツを出したのは拙かったな。

  その剣がカラドボルグだと言うのなら、是が非でもけりをつけさせてもらう!」


 ランサーがさらに後ろへ一瞬で下がり境内の端付近まで到達する。
 
 まさかこの距離で助走をつけて突きをするなどというわけがない。

 だとすれば……まさか!?


 「バトラー! ランサーはアレを投げる気です!」


 「っ――――! I am the bone of my sword!」

 
 バトラーが今までで最も険しい表情で彼独自の詠唱を開始する。


 「突き穿つ(ゲイ)――――

 
 ランサーが豹の如く大地を駆け鷹の如く空に向かって飛翔する。

 その手に持つはゲイボルク、心の臓を穿つ呪いの魔槍。


  ――――死翔の槍(ボルク)!」


 青き槍兵の放った赤き槍が彗星の如く一直線にバトラーに向かう。


 「――――轟く五星(ブリューナグ)!」


 彼の詠唱が終わると同時に現れ、即座に放たれる一筋の閃光。

 それはゲイボルクを飲み込み、投擲の姿勢で滞空していたランサーを捕らえる。

 彼の槍はブリューナグ。クー・フーリンの父といわれる"長腕のルー"が持ちし槍。

 太陽の光と天空の稲妻を現す先が5本に分かれた姿を持つとされる伝説の武具の一つ。

 ソレを何故彼が……いや、今更バトラーにそれを問いかけてもしょうがな――


 ズシャッ!


 「ぐっ……!」


 ――肉を潰したような音と彼の苦悶に驚き、即座に彼の方を向く。

 そこには赤き槍に左肩を貫かれ辛うじて左腕が身体についているバトラーの姿。

 頭が一瞬で真っ白になる。

 一体何が起こったと言うのか!?
 

 「まさか、完全なものではないとはいえブリューナグを貫くとは……。

  ランサー。君のゲイ・ボルクは投擲宝具の中でも類を見ない力があるようだな」

 
 彼がその怪我を感じさせない口調で話し始める。

 まさかランサーがあの一撃を受けて無事だと?

 ヘラクレスならどうか分からないがランサーでは耐え切れる筈は……。
 

 「…………全く、驚かされてばかりだぜ。ブリューナグだと?
  
  この節操無しが!」


 そんな私の考えを吹き飛ばすように右腕が無く片目を閉じた槍兵が答える。

 流石に驚きよりも呆れてしまう。

 先程もそうだが死に体に等しい状態から二度も生き残るなど神業としか言いようが無い。
 
 
 「ふう、耳が痛いなランサー。確かに私は節操無しかもしれない。

  だが……これが私の戦い方だ。
 
  幾たびの世界を越えて磨き上げた術、それを否定される謂れは無い」


 「へっ、確かに俺がテメエの戦い方をどうこう言うのはお門違いだな。
 
  ん? ……ちっ! ふざけろよ!? 俺が何の為に……くっ! 解ったよ!」


 いきなり一人で喋りだすランサー。

 電波でも拾っているのだろうか?
 
 ……ところで電波とは何なんでしょう?


 「どうやらまた無効試合になったようだな」


 「……悪いな。腑抜けのマスターのご命令なんでね。

  全く、お前等が羨ましいぜ。あの嬢ちゃんにしろ坊主にしろ俺のマスターの百倍はマシだ」


 「そうか? アレはアレで色々と大変なんだが……。

  まあいい。ここで会ったのは偶然だ。

  ならば、決着は我々に相応しい時につけよう」


 ……は?

 まさか絶好の機会だと言うのにランサーを見逃すと?

 
 「バトラー、彼をここで倒すべきでは?

  疑うまでも無くランサーは強敵です。

  後々足元をすくわれる事になりかねません」

 
 こうは言ったが彼が何と答えてくるかは予想がつく。


 「ふむ、答える必要があるかな?

  君は既に私がどう答えるか予想しているのだろう?」


 ……完敗ですね。

 まさかそんな事まで先読みされるとは。

 いや、それだけ彼が私のことを理解してくれているということだろう。

 そう考えてしまい、顔が熱くなる。


 「お〜、暑いな〜。今って冬の筈だろ?」


 ランサーがニヤニヤ笑いながらそうのたまった。

 やはりここで滅殺しておくべきでしょうか?


 「おおっと。怖い顔すんなよセイバー。

  んじゃ俺はこの辺で失礼するぜ」


 片腕の槍兵はソレを感じさせない速度で去っていく。


 「ふう、彼の相手はある意味ヘラクレス以上に大変だな」


 それは相性の問題だと思います。

 彼の槍兵に対してはソレを上回る速度か速さを越えた力がいるでしょうし。


 「そう思うなら私に任せてくれればいいでしょう?」

 
 「……ああ、次回は君に任せて私はお茶の準備でもしているとするかな」


 そう言って彼は歩き出す。

 心にも無いことを。

 彼は戦いになったら真っ先に自分が戦おうとする。

 たとえ私やライダーの方が相性がよい相手だとしても。

 それが彼の優しさ。

 ともすれば私達に対する侮辱になりかねないというのに私はソレを嬉しく感じてしまっている。

 全く、我が事ながら随分と少女のようになってしまったものだ。
 

 ところで……私が柳洞寺に来た意味はあったのでしょうか?




 
 続く……のか?
 


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