注意1:この作品の弓さんはアーチャーではないです。

 注意2:これはfateもしとは一切関わりがありません。

 注意3:これは電波による二次被害作品です。

     fateもしを書いていて本編で使用不可な電波がきたため別の作品として誕生しました。

 
 以上を踏まえた上で読んでやってもよいという奇特なかたは下へどうぞです。





    











 



 

        それは有り得たかもしれない物語 そのさんじゅうなな



 side by 士郎


 「はぁっ!」


 オレの渾身の力を込めた双剣の一撃は同じ双剣を持つバトラーにあっさりと弾かれ、

 その衝撃で双剣は崩れ去った。

 そして、生じた隙を突かれて首筋に刃が押し付けられ何度目か解らない敗北が決定した。

 悔しいがコイツには勝てる気がしない……って最近そんな奴に会ってばかりなんだが。

 
 「衛宮士郎、お前は今何をしている?」


 唐突にそんな事を言ってくるバトラー。

 何って特訓じゃないのかよ?


 「ふう、お前は少しでも強くなるために努力しているのだろうが。
 
  私が仮に今の強さに到達するのに十年の年月を掛けたならば、

  お前もそれと同等の年月を掛けねば到達出来ないのは道理だろう?」


 そりゃそうだ。

 まあ、それはオレとコイツが同じポテンシャルを持ってたとしたらの話だが。


 「私の……アレは主か? いやまあそれはどうでも良いか。

  とにかく以前知人が言っていたことだが、

  自分よりも優れた技術を持っている者が居るのなら利用すべきだろう?」


 利用できるならな、でもこの場合は全く意味が解らないぞ?

 バトラーが強いからと言って、

 特訓してもらっているオレまでは簡単に強くはならないからな。

 	
 「……頭の固い奴だな。お前のその双剣はどうやっって造り出した?

  ソレが出来るのなら答えは自ずと解るだろう?」


 オレは両手に持った双剣、干将莫耶を見つめる。

 これについての情報は既に得ている。

 投影の過程で解析しているからだ。

 ん? オレは担い手の経験までも加味している……それは十年を過ごしたことと同意なのか?

 試して見れば解るか……。

 
 「――――投影、開始」 

 
 ここで、オレは普段なら踏み込まない領域へと足を踏み入れる。

 それはバトラーの練り上げた技。

 修練の年月、苦難の連続。

 アレな世界&アレな主人……!?
 

 「ぐっ!――――憑依経験、共感終了」


 脳裏に浮かんだ最後のイメージを渾身の力で振り払いつつ投影を完成させる。

 それは経験の投影。

 剣を媒介とした反則技に近いレベルアップ法とも言えるもの。


 「ふむ、試しだ。逝くぞ?」


 そう言ってアイツは今までのソレが嘘のような速さでオレに迫る。

 ……だが、その動きにオレは反応することができた。


 「つぁっ!」


 烈火とまではいかないが、それに近い連撃を何とか受けきる事が出来た。

 ただ受けきっただけであるが、先程までのオレなら到底不可能な事だ。

 そもそも、受けた時点で今までなら双剣が砕け散っていたのだが……。

 経験をより深く加味することで投影自体の練度が上がったのか?

 
 「ほう、一度で其処まで踏み込めるか……」


 バトラーが何かオレを褒めているようだが……もう限界です。

 其れまでの特訓の疲れと、最後に行った投影の影響でオレの意識は沈んでいった。



 side by セイバー


 私は今信じられない光景を見たのだろう。

 今までのシロウはお世辞にも強いと言えるものではなかった。

 尤もそれは私の立場から見てのものだが……。

 しかし、シロウがバトラーに言われた通り……かどうかは解らないが、

 今までと同じように投影を行い、バトラーが攻撃を仕掛けた事でその異常に気づいた。

 
 「つぁっ!」


 ソレは人では回避しきれない程の技を伴った攻撃、シロウには避けることは出来ないソレ。

 だが、シロウはそれを防ぎきった。

 ただの一度ではあるが英霊の攻撃をしっかりと防いだのだ。


 「ほう、一度で其処まで踏み込めるか……」


 バトラーが珍しくシロウを褒めているが、既に意識を手放しているシロウには聞こえていないだろう。

 私は倒れるシロウを確りと抱きとめる。


 「バトラー、先程のシロウは何をしたのですか?」


 あの短い助言で急に強くなれるのなら誰だって強くなれるのではなかろうか?


 「……衛宮士郎は投影によって剣などを造り出す時に担い手の経験をも加味する。

  つまり……ゲイ・ボルクを投影しようとすればランサーの戦いの経験すら得る事が出来るかもしれないのだ」


 その事実に息を飲む。

 それではシロウは……投影を行う度に強くなる?


 「尤も、アレは戦う者ではない。強くなると言っても高が知れている……」


 バトラーが自嘲的に呟く。

 それでも十分な程の強さを得れるのではないだろうか?

 
 「さて、衛宮士郎も気絶してしまってたことだし休憩にしよう。

  私は昼食の準備に入るが、君はどうする?」


 私は眠るシロウを見ながら考える。


 「そうですね……私はシロウが起きるまでは付き添っていようと思います」


 「そうか……ではまた後でな」


 シロウを介抱しながら道場に座る。

 そんな私に彼はとても優しい笑みを零して歩き去る。

 何故かバトラーは不意にそういう表情を見せてくれるので慌ててしまう。

 ……これからも、これからもこのような日々が続けば良いと心から思った。



 side by 凛


 「イリヤ、食事中にテレビを見るのは行儀が悪いから止めろって」


 「えー、別に良いじゃない」


 小食なため先に食べ終わって暇になったイリヤが足をパタパタさせつつテレビを見る。

 それを衛宮邸の主婦、もとい主夫こと士郎が咎める。

 私も食事中にテレビを見る習慣はないが、まあ(可愛いから)気にはならない。
 
 
 「――続いて、本日午前7時頃。新都の公園にて穂群原学園に通う生徒の遺体が発見されました」


 その放送に、私と士郎。

 それに桜とバトラーの動きが止まる。


 「遺体は三名で欠損が激しく、身元は付近に落ちていた財布のカード等からでしか判明で――――」


 これは……。


 「バトラー、貴方はどう思う?」


 「そうだな……サーヴァントが襲ったにしては杜撰だな。

  それ以外だと……すまないが想像できん」


 珍しく歯切れの悪いバトラー。

 まあ、これだけの情報じゃあ解ることの方が少ないからしょうがないか。

 でも……酷く気になる。

 
 「リン、気になるのでしたら私が見てきましょうか?」


 ライダーがそう言ってくれるが正直な所意味は無いだろう。

 どの道固有結界染みたあの場所では魔力の残滓を追うことは困難である。

 
 「いえ、それはいいわ」


 「そうですか。リンがそう判断したのならそれで構いませんね」


 ……何か久しぶりにまともなライダーを見た気がしないでもない。

 
 「ふむ、どの道今は動くに動けんか……」


 「バトラー、だったら午後もオレの特訓に付き合ってくれよ」


 むむ、士郎ったら私の魔術の授業のこと忘れてるのかしら?


 「ちょっと士郎「ダメダメー! シロウは私とデートするの!」

  って、イリヤ!?」


 何を言うのよ、この小娘は!?

 ガー、っと吠えそうになったその時、静かな殺気を感じた。

 見れば桜も目がキュピーンと言った具合に光っている。

 ……正直お姉ちゃんね、桜のことちょっと怖いと思っちゃったわ。


 「うーん、そうだな。夕食の食材も買わなきゃならないし。

  よし、行くかイリヤ」


 「うん!」


 ふふ、そう。私の事は無視な訳ね。

 今日の夜、覚えときなさいよ?

 私が士郎イビリのネタを考えていると桜と目が合った。

 ……私たちはアイコンタクトで情報を交わす。


 (桜、殺る……もとい、やるわよ?)

 (ええ、もちろんです姉さん)


 今、私たちは完全に姉妹としての絆を取り戻した気がする。

 そんな私たちの脳裏には、既に先程の事件のことはなかった……。







 続く……のか?

 

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